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落花生(ピーナッツ)

UP DATE:2020/11/07 カテゴリ:食材 Ingredients

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誰でも知っている落花生(ピーナッツ)ですが、生育の様子を見たことがありますか?

実は、とても不思議な植物です。

ローストしたものを食べる方がほとんどで、都心部ではなかなか生の落花生が販売していることはないですが、郊外の農村地帯の直売所であれば、シーズンに生の落花生に出会うことができると思います。

歴史

落花生はマメ亜科ラッカセイ属の豆です。

原産は南米やアンデス山麓と言われています。

コロンブスの大航海時代に様々なルートを通り、15世紀くらいには欧州に、アジアには17世紀に伝えられたそうです。

落花生を「南京豆」と呼ぶこともありますが、それは中国を経由して日本に入ってきたから。

ただ、今現在私たちが食べている落花生と南京豆は別の種類だそうです。

栽培方法

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苗は5-6月くらいに植え、収穫は9-10月が一般的です。戸隠では、9月から10月下旬くらいまでは直売で見かけます。

落花生の不思議は、豆なのに、土の中に豆が生るところです。

普通は、花が咲いて結実すると花の下あたりが膨らみ始め、それが実になります。

ところが落花生の場合は、花が咲いてしおれると、花が咲いた茎(子房)の根元から新しい茎が生え、それが地中に潜って、豆ができます。

そのため、落花生はモグラやネズミの被害にあいやすいです。

主な成分

落花生は何といっても脂質の多い食材です。

この脂質には、悪玉コレステロールを下げ、血管を強くし、動脈硬化などを予防する効果があります。

その他のビタミンとミネラルで多いものは以下になります。

成分 含有量
ビタミンB3 17mg
カリウム 750mg
マグネシウム 170mg
カルシウム 50mg

また、落花生の薄皮にはレスベラトロールというぶどうの皮に含まれているものと同じポリフェノール成分があります。

このレスベラトロールというポリフェノールは、サーチュインと呼ばれる長寿遺伝子を活性化する働きがあるのだそうです。

ポリフェノールそのものは抗酸化物質であり、体の老化を防ぐ成分とも呼ばれているため、健康長寿を気にされる方は落花生の渋い薄皮も一緒に召し上がるのが良さそうです。

調理方法

落花生は主にローストされ、ナッツとして食べることが多いかと思います。

ローストしたナッツをすりつぶしたものが、ピーナッツバターです。

また、ローストした落花生に味噌をからめた味噌ピーや、落花生をすりつぶしたものにデンプンを混ぜたジーマーミー豆腐などの加工食品もあります。

中国では、あずきの代わりにピーナッツを使ったぜんざいのようなものがありますし、煮物などに入れて食べることがあります。

▶︎シンプルな茹で落花生の作り方はこちら。

この記事を書いた人

THE KOKONOE シェフ⽔⾕江希

筑波⼤学卒業後、外資系メーカーにてプロダクトマネージメント業務に10年以上携わる。料理学校へ転職を機に、講師業を⾏う。2016年に⾧野県戸隠に移住し、化学農薬や化学肥料に頼らない農業を夫婦で実践。旬の野菜中⼼で滋味あふれる⾷事をTHE KOKONOEで提供。世界の発酵食・長野の郷土食を美味しく頂きながら研鑽に励む。

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