Kokonoe Green Library
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Bon voyage!

The Noma Guide to Fermentation

更新:2019/04/02

発酵食品は日本だけのものではなかった



デンマークの首都、コペンハーゲンにある世界一予約の取れないレストランで有名なNoma(ノーマ)。

Nomaは、これまであまり注目されていなかった北欧の伝統料理・発酵食を、今の時代に沿ったアレンジを施し、究極なまでの地産地消にこだわりながら、温故知新の精神で大躍進を遂げました。
(と言っても、私は食べに行ったことはなく、もっぱら本やネットで見たことしかありません^^;)

加熱をすることで食材を調理するのが一般的ですが、発酵という技術を使い、火を使わずに食材を調理したり、味付けに発酵という技術を駆使したことがNomaが起こした料理革命なのだと思います。

発酵食品は日本のお家芸ですが、北欧にも様々な伝統的な発酵食品があります。

チーズはもちろんですが、バイキングの時代から存在していたと言われるサメ肉を発酵させたハカール、世界一臭い食べ物と言われているニシンを発酵させたシュールストレミング、そして今年の春に日本にも上陸すると言われている濃厚なヨーグルトのスキール等々。

発酵は、食物の保存だけでなく、栄養価の面においても、微生物の活動によって付加されます。

それは、短い日照時間と厳しい寒さの冬を乗り越え、命をつなぐ知恵から生まれたものなのだと思います。

本書の序章に、Nomaが発酵食品に着目したのは、伝統的な行者ニンニクの花芽の塩漬けを紹介されたことがきっかけと記載があります。

このような身近に存在している伝統的な発酵食品からインスピレーションを受け、世界の発酵食品とその製造技術にに目を向けるようになり、自分たちで作るようになったのだそうです。

その結果、レストランの施設内に味噌や醤油、紅茶キノコ(Kombucha)、魚醤、塩漬け(乳酸発酵)など様々な発酵食品や調味料を製造できる本格的なラボを併設し、研鑽を積まれています。

なんでも、発酵のプロの科学者2名がチームメンバーとして入っているとのこと。すごい熱意です。

本書には、Nomaが作っている発酵食品や調味料のレシピがプロトコールのごとく、そして惜しげも無く掲載されています。

私もインスパイアーされ、Kombuchaを作ってみました。
現在も発酵中で、春からのメニューの隠し味として使えたらいいなと思っています。

オーガニックカフェここのえでも、オープン当初から発酵食品は大活躍です。
自家製麹を使った甘酒スムージーや料理の隠し味に使う自家製味噌等、日々とても重宝しています。

醸す生活を始めた方の、一歩先行くバイブルとしてオススメの1冊です。

*紹介している本は英語版ですが、日本語版も発売されています。

(キッチン担当)

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