Kokonoe Green Library
~食で身体を整えて、Libraryで知らない世界へ旅をする~

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Bon voyage!
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長崎原爆記

更新:2019/08/15

全世界の人々が忘れてはいけないこと



今日は終戦記念日です。

8月6日に広島に、3日後の9日に長崎に、原爆が投下されました。

被爆された人々はすでに、80代・90代と高齢になり、お亡くなりになられた方々もいらっしゃいます。

遺族でも当事者でもない私が、「憎しみの感情を捨て、世界平和を願おう」とは到底言えません。

現在も過去も、苦しんだ方々の供養になることは何なのかを考えた時、唯一の戦争被爆国として、この戦争を忘れないでいることではないかと思います。

私は思春期を米国で過ごしました。

社会(アメリカンヒストリー)のクラスで、必ず学ぶこの内容。

原爆投下と戦争については、日本人とアメリカ人の捉え方の違いを実感し、それぞれの正義・主義・主張があることもわかりました。

ただそこから確実に感じ取れることは、

●戦争は国のトップの一部の人が起こしていること

●戦争に加担した国の国民は、誰も幸せにならない

だと思っています。

今回ご紹介する本は、長崎の原爆を体験した医師の実話です。

マクロビオティックを学ばれた方であれば、誰もが一度は聞いたことがあると思います。

また、現代の科学や医学の感覚でいえば「まさか!」と思う部分もあるかもしれません。

著者は、原爆投下時、爆心地から1800mほどしか離れていない浦上第一病院(現・聖フランシスコ病院)で治療にあたっていました。

過酷な状況で動くために必要だったこと


秋月医師は、X線の診断治療を研究していた時、X線を頻繁に照射したために、気分が悪くなり、体のだるさを感じることが多かったそうです。

これは、レントゲン・カーターと呼ばれる症状らしく、濃い食塩水を飲むことで克服していたと言います。

当時のレントゲン教室で研究し、働いていた人々の常識だったのだそうです。

原爆投下後、レントゲン・カーターと同じような症状を感じた秋月医師は、病院スタッフと患者に対して、このようなことを命じました。

「玄米飯に塩をつけて握るんだ。からい濃い味噌汁を、毎食食べるんだ。砂糖は絶対にいかんぞ!」私は、炊事方や職員に厳命した。もしそれが履行されないと、私は、気の毒なくらい相手を怒鳴った。「砂糖はいかん、甘いものはいかん!」

これは爆弾前から、入院患者や従業員に厳重に申し渡していた。もっとも砂糖は、当時の日本の大衆にはほとんど無縁であった。

(中略)

この時の私にひらめいたミネラル原爆症治療法は、私自身と、周囲の私を信ずる人びとの間には行われた。

(中略)

しかし私は、このミネラル治療法のためこれまで生きながらえ、元気に病院で医師として働いてこられたのだと信じている。私はきわめて虚弱体質であり、千八百メートルの距離で原子爆弾を受けた。致死量の放射能でなかったのかもしれない。しかし私や岩永修道士、野口神学生、婦長、村井看護婦その他の職員や、入院患者は、被爆の廃墟の死の灰の上で、その日以来、生活したのである。

その人びとが、もちろん疲労感や症状はあったであろうが、それを克服して元気に来る日もくる日も人びとのために立ち働き、誰もこのために死なず、重い原爆症が出現しなかったのは、実にこの秋月式の栄養論、食塩ミネラル治療法のおかげであった。

私とその周囲の人びとは、それを信じている。学会ではたとえ認められなくとも。

なぜ砂糖を積極的に摂らなかったのかは、陰陽の理論を用いた場合、明白です。

多くの人びとが苦しむ中、休む間もなく治療にあたった医師やスタッフに大きな原爆の症状が出なかったというのは、奇跡に感じます。

現代の私たちは、病気になればすぐに薬があります。

病気を未然に防ぐと言われるワクチンもあります。

とても即効性があり、便利で都合が良いものです。

今は国民健康保険や社会保険でカバーされていますが、100兆円ほどの国家予算のうち、40兆円以上の出費がある日本では、この仕組みがいつ破綻してもおかしくないと思います。

すでに国の医療崩壊が起きたアメリカでは、国の医療保険制度はなく、プライベートの医療保険に入る必要があります。私が在住していた時、風邪で診療してもらっただけで、日本円に換算で約2万円請求されました。
私は経験していませんが、歯の治療も1本約10万円も請求されたケースも聞いたことがあります。

日本も欧米化に伴い、そうなる日も近いかもしれません。

どのくらい病院に通っていますか?自分に与えられた権利を乱用していないでしょうか?

特に必要でなくても、病院に通うことが散歩のようにルーティンになっているお年寄りも多いようです。

でも、手軽に病院にいけない状況下になったら?

薬ではどうにもできない症状が出たら?

そして、薬が不足や供給停止などにより、手に入らない状況になったら?

私たちはどうやって乗り越えたらよいのでしょうか。

そうならないために何をしておかなければいけないのでしょうか。

この本は、平和について考えることだけでなく、私を含め、現代人がいかにひ弱であるかということも考えさせられた一冊です。

戦争を知らない私たちに何ができるのか。次の世代のために何をしたら良いのか。

1人1人お役目がきっとあるはず。

毎日は考えられないかもしれませんが、今日だけは少しばかり時間とって、私も考えたいと思います。

(キッチン担当)