Kokonoe Green Library
~食で身体を整えて、Libraryで知らない世界へ旅をする~

自然豊かな環境で、読書を楽しむひとときを。
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伏流水が流れ、雄大な山々に囲まれた里山で、自分だけのひと時をお過ごしください。
Bon voyage!
オーガニックカフェ内のブックスペースは2019年春頃から開始予定です。

人生と仕事について知っておいてほしいこと

更新:2019/10/18

皆さんは、ビジネス書や自己啓発本を読まれますか?

私は過去、友人知人からオススメされて、いくつかのビジネス書を読んだことがあります。
しかし、それがどうもしっくりこなかったという理由で、その後はほとんど手をつけていないジャンルでした。

厳密にいえば、、、
とても有名な経営者の方で、多くのファンをお持ちの方が書かれたビジネス書を読んだことはあります。
内容は本当にごもっともで納得し、随所で心を打つ内容もありました。

しかし、、、
残念ながら、その方が経営されている会社から、とてもしつこい電話での商品購入の勧誘を受けたことがあり、

「かっこいいこと言っても、蓋を開ければ、会社の実態はこんなことをして儲けているのか。。。」

「こういういいことを言って、従業員を洗脳して、おかしな仕事をさせているのか。。。」

というような感情を抱きました。さらに輪をかけて残念だったのは、その会社の扱っている商品が私にはなんとも怪しく思え、とても購入するには至らないものだったのです。

以降、ビスネス書というものに対して、斜めからの目線を持つようになり、

「ビジネス書や自己啓発本というものは、結局のところ、著者その人の哲学や手法であり、自分に向くかどうかは定かではないし、今の時代でそのやり方が通用するのかも不明。そもそも、著者が有能なビジネスマンであっても、世の中に良いことをしているとは限らないのでは?」

「著者はすごい方かもしれないけれど、本を読んで啓発よりも、まず毎日の生活で、人が人としてやらなければいけないことができた上での話なのでは?そうでないと頭でっかちになるだけでしょう?」

そして何よりも

「この手の本を読んでも成功や幸せへの近道にはならない気がする」

と、早々に自分が納得する結論を出してしまい、長らくご縁のなかったジャンルでした。

当時の私は経営等に関与したこともない分際でそんなことを言える立場ではなかったと思いますが、自分の信じるところから逸れることができない性分もあり^^;

おそらく、ビジネス書や自己啓発本に対して、私と同じように若干のアレルギーをお持ちの方は多いかと思います。

しかし、本書は、そういう方々にも一度は手にとってもらいたい、と思う本です。

自分の運命に従うことは強く正しく幸福なものである。



学生時代に、経済学や哲学・人間学を専攻され、起業サークル・学生運動・ビジネス・自己啓発・投資などに関わっていた方からすれば、

「え?何を今更ですか??」

「こんな王道な方をレビューするなんて恐れ多い」

と言われてもおかしくないと思いますが、敢えてします。

なぜなら、私の学生時代にはこういったことには無縁で、経済学や哲学のベースがないからこそ、フラットに見れるのではないかと感じているからです。

それに、松下幸之助は、私の年代でも、誰もが知る有名人。そして比較的現代の人。
すごい人物であることは誰でもわかるし、あまりにも有名すぎて、正直言って、そこまで深く知ろうとは思いませんでした。

きっかけは、椿大社(つばきおおやしろ)に参拝する機会があり、松下幸之助が祀られていることを知りました。

つまり、松下幸之助は神になっているということです。

そのような経営者は日本全国でいるでしょうか?

そこでやっと松下幸之助という人物に興味を持ち、本書を手に取ることになりました。

松下幸之助の著書で一番有名なものは「道をひらく」だと思いますが、本書はそこからの引用が冒頭にあります。

自分には自分に与えられた道がある。どんな道かは知らないが、他の人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのない道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあれば、くだりもある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。

この道がはたしてよいのか、悪いのか、思案にあまる時もあろう。
なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。

あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道をまず休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。

他人の道に心うばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

それがたとえ遠い道のりのように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道が開けてくる。深い喜びも生まれてくる。

私は、この文章を読んだ時、不覚にも、涙してしまいました。

これが私が本書をオススメする理由です。

多くのビジネス書は、その名の通りビジネスパーソンが読むことを主たる目的とし、

「これはすごいぞ!面白いことを言っている!明日にでも会社で試そう!会社の朝礼で言おう!」

と思う内容・思わせる内容だと思いますが、

松下幸之助のこの言葉は、とてもではないですが、明日にでも試そう!などという小手先のハウツーの域を圧倒的に凌駕しています。

一体この人はどれだけの泥水を飲んだのでしょうか。

人としての懐の深さや温かみを感じつつも、戦いに挑むなら勝ちに行くのが当たり前という強さ。

決して哀れみや同情ではない慰めと励まし。

誰にでもある辛い体験を、大阪の商人節で「転んでもただでは起きるな、それを糧にすればいいんだ」と鼓舞する言葉。

人を動かし、心から信頼されるというのは、こういう言葉なのだと思います。

多くの人々が自分の羅針盤を失う現代。

ヨーガや瞑想が流行るのはマインドフルネスを失い、幸福と感じられないからではないでしょうか。

お金を稼ぐため、仕事での成功を躍起になって追うばかりに、人間としての成長、人生で成功することをおざなりにしていませんか?

子供の歩む尊い道を逸れさせ、親が強引に別の道を歩かせていませんか?

今歩んでいる道は自分の道ですか?

本書は、悠々と自分の運命に従って進んでいくには?本当の成功は何なのか?正しく幸福に生きる術とは?という生きる根底を、松下幸之助ならではの生きた言葉で学ぶことができます。

ビジネス書の枠をはるかに超えた人生本と言っても過言ではないですが、本の大きさ、文字の大きさ、文章の長さも簡潔で大変読みやすいです。

これから社会という大海原へ出て行く若い世代、中・高生でも読みやすいので、ギフトにも良いと思います。
何と言っても「やりたいことがない」「将来が不安で、希望を見出せない」と一番思っている世代ですから。

私も若い時に読んでいればよかったなーと思いつつ。

ここのえ亭主曰く、「昔読んでも響かなかったことが、今読むと響くこともある。」とのことです。

昔、松下幸之助を愛読されていた方も、今読むとまた違うことを感じるかもしれません。

今年の秋は、この一冊で、自分のこれまでの道を振り返りながら今の自分を確かめ、読書を楽しんでみませんか?

(キッチン担当)